毎日を自分らしく生きたい人のゆるーり雑談blog

ちょこっと、ゆるりと。〜中学生シオンの物語〜

2人のキャラクターと共に、毎日思ったことや本から得た知識についてゆるーり発信していきます!

“仙人の教え|毎日自分らしく楽しむことに人生の意味がある”

(小説)カンペキ人〜本当の君を探し求めて〜第六話

「毎日自分らしく」をモットーに

 

 

 

 

・・・・・・

 

由香里は2013年に、敦を殺した後、またタイ

ムワープをしていた。

 

雄介を懲らしめていた最後の1人がこの時代

に存在している。

 

2018年。あれから5年後へと時は進んでい

た。

 

2018年ということは、雄介は23歳。

私と雄介が出会った2年前である。

 

 

 

後一人だ。後一人殺せば、雄介は救われる。

あの、誰も信用せず、つまらなそうに毎日を

過ごしていた雄介を変えることができる。

 

 

由香里はそう思いながら、池のほとりで何か

考え事をしていた。

 

 

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「所々で自分が何をしているのか分からなく

なってしまっている。

そんな気分に襲われることもあった。

ただ、これまで確かに自分の意思で雄介を懲

らしめてきた奴らを殺してきたはずだ。

雄介さえ救えれば、私も幸せになれる。きっ

と幸せになれるよね?」

 

 

自問自答を繰り返していたが、途中でキリが

ないと判断したのか、由香里は席を立ち上が

って、最後の目的を果たすために動き出し

た。

 

 

 

・・・・・・

 

 

雄介は京都大学に落ちた後、私立の大学に進

学することに決めた。

 

行きたかった大学に落ち、特にやりたいこと

もなかった雄介にとっては、大学生活はとん

でもなくつまらないものであった。

 

 

特にサークルにも入らず、毎日授業を1人で受

け、食堂で1人で昼飯を食べ、授業が終われ

ばそのまま家に帰るという生活スタイルであ

った。

 

 

人生の目的が見つからない雄介にとってはそ

んな生活しかできなかったのである。

 

 

大学時代もすぐに時間が経ち、あっという間

に就職活動をしなければいけない時期になっ

てしまった。

 

 

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とりあえず、知名度があり、休みと給料がし

っかりしているところであれば、どんなとこ

ろでも良かった。

 

 

正直、超売り手市場と呼ばれるこの時代なの

で、そんなに深く考えなくてもいいだろうと

雄介自身は考えていた。

 

 

就活もあまり苦労することなく、

最初に内定を貰った会社へ入ることに決め

た。

 

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「えー。では今日からうちの部署に配属され

ることになりました、渡辺雄介さんです。渡

辺さん、自己紹介よろしく。」

 

 

大勢の人がいる前での自己紹介は初めてなの

で、冷や汗が大量に出てきて、緊張の一文字

しか頭に浮かばなかった。

 

 

「今日からこの部署に配属されました渡辺雄

介です。まだ右も左も分からないものではご

ざいますが、日々精進して参りたいと思いま

すので、よろしくお願いいたします!」

 

 

大きな拍手とともに、

「がんばれよー。期待してるよー。」という

多くの人の声が耳に入ってきた。

 

 

雄介の指導には、営業成績NO1で、普通の人

が4時間かかる仕事をたったの30分で終わら

せてしまうほど仕事ができる「賢翔」という

先輩がついてくれることになった。

 

 

見た目もいかにも仕事ができますオーラを放

っているようで、この先輩の元で仕事ができ

ることを雄介は楽しみにしていた。

 

 

 

仕事が始まって3ヶ月がたった頃。

 

 

最初は優しかった賢翔も次第に本性を表して

くるようになった。

 

 

「おい、新人!まだ書類できていないのか!

お前こないだもどうでもいい小さなミスして

たよな!どんだけ仕事できないんだよ!さっ

さと作れ!」

 

 

周りに聞こえるような声量で、雄介に罵声を

浴びせた。

 

 

急いで書類を作成している横で、これでもか

と言うくらい次々に罵声が飛んでくる。

 

 

「本当に君は何もできないんだね。生きてい

る価値あるのかな君?まあ、君のような人間

はずっと何をしてもうまくいかないか。

哀れだね。はは。」

 

 

少し微笑んだ表情でこっちを見てくる。

 

 

こんな職場だとは正直思ってもいなかった。

 

 

「一刻も早く上司を変えて欲しい。」

雄介はそのことだけを考えて、毎日せかせか

と働いていた。

 

 

そしてある時、雄介は賢翔の営業に同行する

ことになった。

 

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初めての営業同行ということで緊張していた

のもあったが、それよりも賢翔と2人きりで

外回りするといったことに対して、かなりス

トレスを感じていた。

 

 

「いいか。お前はただ横に突っ立っているだ

けでいいからな。出来損ないなんだから何も

するんじゃねーぞ!」

 

 

「はい、わかりました。」

 

 

そう答えるしか雄介にはできなかった。

 

 

取引先は昔から長年の付き合いがある所であ

った。

賢翔はさすが営業成績NO1と呼ばれるほどの

提案力・柔軟性を発揮し、営業を行っていっ

た。

 

 

だが、時間が経つにつれ、相手の顔色が変化

してきた。賢翔が相手に対して鋭く指摘をし

まくっていたからだ。

相手の話をかわしてでも、自分の意見を通そ

うとする賢翔に対して徐々に違和感を持ち始

めた。

 

 

「なんであんたにそこまで言われなくちゃい

けないんだ!

君は私達を馬鹿にしているのか!」

 

 

とうとう取引先の人が激怒してしまった。

賢翔は自分が営業成績NO.1ということで、少

し有頂天に溺れてしまっていた。

おそらくその感情が相手に伝わってしまった

のだろう。

 

 

賢翔は深く頭を下げ、

「申し訳ございませんでした。」

と取引先の人にお詫びした。

 

 

職場に戻った雄介と賢翔は、部長のもとに報

告しに行った。

 

 

「お前たちは一体何してるんだ!長い付き合

いの取引先の人に失礼な振る舞いをしたんだ

って!どういうことなんだ!」

 

 

「申し訳ございません。私は十分に注意する

ように言ったのですが、渡辺君が失礼なこと

を言ってしまって。」

 

 

その瞬間雄介は顔面蒼白した。

 

 

「嘘だろ。この人。俺何もやってないのに罪

を全部俺になすりつけようとしている。最悪

じゃないか。」

 

 

「おい、渡辺!お前先輩そして会社の顔を潰

す気か!お前はどうせ何にもできないんだか

ら、営業の時も何もしなくていいんだよ!

それなのに口答えしただと!ふざけん

な!!」

 

 

 

部長は辛辣な顔で雄介に罵声を浴びせた。

 

 

激昂している部長をなだめようと賢翔はこう

言った。

 

 

「今回の件は私の注意不足もあったことです

し、これからはもっと渡辺を厳しく指導して

いきますので、今回は許してやってくれませ

んか?」

 

 

「君がそこまで言うのなら、許してやろう。

渡辺!次同じようなことをしたらタダでは済

まんからな!」

 

 

「あ、あの、でも、、、」

 

これ以上言葉が出てこなかった。

雄介はもう泣きそうだった。

賢翔は自分の立場を守るために、全て雄介に

なすりつけてきたのだ。

 

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その出来事以降、職場でいろんな人からの風

当たりが強くなってきて、雄介はその場所に

居ずらくなっていた。

 

 

 

そしてある夜。

 

雄介のスマホに着信が入った。

 

 

「おーい。渡辺か。前の営業の時は本当に悪

かったな。あの後自分なりに反省して、もう

これからはあんなことないように心入れ替え

て仕事していくからよろしく頼む!」

 

 

「俺は営業成績NO.1を取ったことでちょっと

調子に乗ってたんだ。自分のプライドを守る

ために渡辺を利用して本当に申し訳なかっ

た。

こんなこと言われて今更だとは思うけど、今

ちょうど職場の人みんなで飲み会してるから

よかったら渡辺も来ないか?」

 

 

雄介はいきなりの賢翔からの電話に驚いた

が、潔く謝ってくれた賢翔に誘われた飲み会

に参加することにした。

 

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しかしそこでは地獄が待っていた。

 

「渡辺君の登場でーす!」

 

賢翔のかけ声とともに、全ての職員が拍手を

した。

 

 

「いやー。渡辺君。こないだは悪かったね

ー。って思ってるわけないでしょー!

お前と一緒に営業なんてマジで吐き気がした

よ。てかお前が横にいたからあんなミスして

しまったしな。」

 

 

「いいか渡辺。俺は社内で営業成績No.1なん

だよ。お前はただの出来損ない。お前が何を

部長に言ったからといって信用してくれるわ

けがない。」

 

 

「この世の中はな、弱肉強食なんだよ。

弱いものは排除され、強いものが皆の上に立

つ。それくらい頭の中に入れておけ!馬鹿

が!」

 

 

 

そう言った後、職場の人みんなが大笑いして

いた。

 

 

「はーい!ということで、渡辺君にはこの場

で私たちの奴隷になってもらいます!」

 

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それ以降陰湿なパワハラが居酒屋の場では横

行した。

 

度数の高い飲み物だけ飲み続けろ、

上司の排泄物を食べろ、

店員をいきなり殴ってこい、

ひたすら女性社員に平手打ちされよ、

 

 

もし、「できません、嫌です」と言って命令

に逆らうと、給料から一万円を罰金として奪

うと脅された。

 

 

度が行き過ぎた要望が重なり、

雄介はもう限界を迎えていた。

 

 

飲み会が終了して、賢翔はかなり酔ってい

た。

 

 

由香里は決心した。雄介に対して毎日

パワハラを行い、そして今回の飲み会で

雄介の心を潰した「賢翔」を殺すことを。

 

 

 

「あの〜〜。この後って時間あります〜〜。

よかったら私と一緒にあんなこととかして遊

びませんか〜〜。」

 

 

由香里は酔っ払っている賢翔を狙って話しか

けた。

 

 

賢翔は断る理由もなく、由香里を引き連れて

近くのホテルへ向かった。

 

 

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「シャワー浴びてくるね、由香里ちゃん。」

 

 

そう言って賢翔が姿を消した後、

由香里は賢翔の飲み物に「毒」を注入した。

 

 

「さようなら営業成績No.1、、」

 

 

飲み物を飲んだ後賢翔は苦しみ始め、

数秒後、床に倒れた。

 

 

 

「排除したい人」残り0人

 

 

「ようやく5人全員殺せた、、、やった、、

これで雄介は救われる。私の理想の雄介

に、、、」

 

 

そして、由香里は2020年、元の世界に戻って

きていた。

 

 

 

・・・・・・

 

 

「プライドを高く持ち、コミュ力・柔軟性・

提案力・仕事力に長けた能力。」

 

 

これでようやく5つ目のオーラ。

 

後1つで俺は完璧な人間になれる。

 

「よし、最後6つ目のオーラを頂きに行こ

う。」