毎日を自分らしく生きたい人のゆるーり雑談blog

ちょこっと、ゆるりと。〜中学生シオンの物語〜

2人のキャラクターと共に、毎日思ったことや本から得た知識についてゆるーり発信していきます!

“仙人の教え|毎日自分らしく楽しむことに人生の意味がある”

(小説)カンペキ人〜本当の君を探し求めて〜最終話

「毎日を自分らしく」をモットーに

 

 

 

 ・・・・・・

 

 

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「雄介は今どこで、何をしているのだろ

う?」

 

 

2020年、元の時代に戻った由香里はそればか

り頭で考えていた。

 

 

「私はこれまで過去にタイムワープして、雄

介を懲らしめていた奴らを全て殺してきた。

ただ、なんだろう。この辺な感じは。タイム

ワープをしていた時の自分はまるで自分では

ないかのような気もした。」

 

 

「ただ、これで雄介自身が変わっているので

あれば、私はもうそれ以上何もいらないか

な、、、。」

 

 

由香里は早速、雄介の元へ向かった。

 

 

「雄介!!急に呼び出してごめんね、、

どうしても話したいことがあって、、」

 

 

雄介はこっちを見るなり少し驚いた表情でこ

う言った。

 

 

「由香里、、、」

 

 

「由香里、生きてたのか。あの時カッとして

自分の部屋から由香里を外に突き飛ばしてし

まった。だけどその後由香里の姿がまるっき

り消えたんだ。どこに行ったのか心配してた

よ。」

 

 

雄介はホッとした表情をしていた。

 

 

「色々あってね。本当にあの時死んだと思っ

たよ。」

 

 

「本当にごめん。あんなこと由香里に対して

してしまって。」

 

 

雄介はしきりに謝った。

 

 

 

「もうそんな事今さら言ってもなんだけど

ね。それよりも雄介、なんだか色々変わった

ね。服装とか、表情とか。これまでの雄介は

毎日つまらなそうに生きてたっていうか、

結構無表情だったから、、」

 

 

雄介は大げさに笑ってこう答えた。

 

 

「そうだよなー。今までの俺は殻に閉じこも

ってたっていうか自信が全くなかったからな

ー。まあでももう元気100%だから大丈夫やで

ー。」

 

 

見るからに雄介の性格は変化していた。

 

 

短期間でこんなにも人は変わるのかというく

らい変わっていたので、

由香里は少し違和感を覚えたが、あまり気に

しないようにした。

 

 

「あ、そうだ。またあの美術館に行きたい

な。」

 

 

「そうだね。行こうか。」

 

 

初めて2人が出会った美術館に足を運ぶこと

にした。

 

 

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「雄介。覚えてる?ここで初めて私と出会っ

たこと。私は雄介を見てなんだかミステリア

スな人だなって直感で思ったの。」

 

 

雄介はプスっと笑った。

 

 

「人を外見だけで判断するって失礼な人だな

ー。由香里は。まあ、ミステリアスってこと

は否定できないけど。」

 

 

「でもね、今は何っていうか、雄介のオーラ

が変わった感じがする。なんかそんな気がす

るの。」

 

 

雄介は何かを思い出すかのようにこう言っ

た。

 

 

「まあ、俺も色々あったからねー。

あ、そう言えば、由香里覚えているか。俺の

部屋にあった【排除したいリスト】が書かれ

ていた手帳のこと。」

 

 

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由香里は少し身を構えた。

 

 

「あのリストに載ってる人は、昔俺のことを

懲らしめていた奴らなんだけど、そいつらが

次々に殺されていったんだ。

しかも誰が殺したか全くわからない。」

 

 

「小学生の時、ある女の人に排除したい人を

殺してもらった記憶はあるんだけど、その女

性を全く覚えていないんだ。」

 

 

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由香里はこの話の流れになることを想像して

いなかった。

ただ、由香里は真実を話したほうがいいと思

い、こう答えた。

 

 

「あのね、雄介。今から結構現実離れした話

するけどびっくりしないでね。」

 

 

「実は、、、雄介を懲らしめていた奴らを殺

したのは私なの。私が5人全員殺したんだ。

雄介に窓から突き飛ばされた後、気づいたら

雄介の小学生時代にタイムワープしてた。」

 

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「自分でも今考えれば意味が分からないくら

い、あっさりその5人を殺してた。ただ、雄

介を助けたいという一心で。

雄介なんか毎日楽しそうじゃなくて、まさか

過去にあんなにひどいことをされてたなんて

私知らなかったから。」

 

 

「この人たちを殺せば、雄介の人生は変わる

んだと信じて、殺したんだ、、、」

 

 

雄介はあまりびっくりした表情もせず、淡々

とその話を聞いていた。

 

 

「由香里、本当のことを言ってくれてありが

とう。俺は本当に小さい時から何をやっても

ダメで、自分に対して自信を失っていたん

だ。」

 

 

「それに加えて、いじめ・女性関係・学業・

パワハラで色々悩んでた。俺はこのままでは

いけないと思ったんだ。もっと自分に自信を

つけたい。もっといろんな能力が欲しい。

そう思ってずっと生きてきたんだ。」

 

 

「だから、、、由香里ありがとう。」

 

 

雄介がそう言った瞬間に由香里の服のポケッ

トから何かが割れる音がした。

 

 

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「時間が来たか、、、」

 

 

由香里は何かから解放されたように

いきなりいろんなことを思い出した。

 

 

「え、私なんで人殺しちゃってるの。雄介を

助けたい。雄介を変えたいと思ってたのは本

当だけど、人を殺したいなんて絶対思わない

のに。」

 

 

「由香里、君が君自身の真実を語ってくれた

から。

僕も僕自身の真実を語ることにするよ。まず

はじめに由香里、5人を殺してくれて感謝し

てるよ。」

 

 

雄介は急に真剣な表情でこう言って来た。

 

 

「君は自分の意思で、俺を助けたいがため

に、俺を懲らしめていた5人を殺したと思っ

ているが、それは違う。」

 

 

「5人を殺させたのは俺自身だ。」

 

 

「どういうことなの?雄介。」

 

 

由香里は状況を把握できなかった。

 

 

「君が俺の部屋から突き飛ばされる前に、俺

は君のポケットにあるものを入れていた。水

晶玉だ。それがあれば、タイムワープするこ

ともできるし、君の意思をコントロールする

ことだってできる。」

 

 

「君はさっきポケットで何かが割れる音を聞

いただろう?それが水晶玉さ。」

 

 

由香里は徐々に理解してきた。

 

 

「つまり、雄介は私を操っていたってこ

と?」

 

 

雄介は小さく首を縦に振り、こう言った。

 

 

「そういうことになるな。それに加えて、こ

の時代の俺はある装置を使って、昔の俺自身

の言動をコントロールしてた。

つまり5人を殺すまでのプロセスは俺自身が

全部決めてたってことだ。」

 

 

由香里は自然に目から涙がこぼれてきた。

 

 

「どうして?どうしてそんなことしたの!雄

介!」

 

 

「君には分からないだろうね。俺の今までの

苦しみが。

何をやってもうまくいかない、誰とも仲良く

なれない、終いには誰にもバカにされる始末

だ。そんなやつ生きている意味なんてある

か?ないよな!」

 

 

「だから、俺は優秀な能力を持っている奴ら

を殺して、そいつらのオーラっていうやつを

頂くことにしたんだ。君を使って過去でその

オーラを持っている5人を殺してもらって、

それを現代に送り、俺はそれらを貰った。」

 

 

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良助のオーラ:「皆をまとめ、人の上に立つ

能力」

 

真人のオーラ:「完璧な容姿・体型、そして

抜群の運動神経。」

 

葉留佳のオーラ:「うまく自分を振る舞え

る。場面ごとに柔軟に対応できる力。」

 

敦のオーラ:「頭脳明晰、常に一位に君臨

し、人に慕われる力。」

 

賢翔のオーラ:「プライドを高く持ち、コミ

ュ力・柔軟性・対応力・仕事力に長けた力」

 

 

「この5つのオーラをゲットした俺はより完

璧な存在に近づいたんだ。だから由香里、君

には本当に感謝してるよ。」

 

 

由香里は泣きながらも雄介に訴えかけた。

 

 

「そんなの、そんなの間違ってるよ!雄介!

人を殺めてまで能力を手に入れるなんて、そ

れは本当の能力じゃないよ。」

 

 

「それは君自身だから言えるんだ。君は社交

的な性格で、友達も多いことだろう。でも

な、この社会でうまく生きていけない人もい

るんだよ。うまく自分を振る舞えない人もい

るんだよ。」

 

 

「そして俺は6つ目のオーラを頂くことによ

って、カンペキな存在になれるんだ。

そう、君のオーラを頂くことによってね!」

 

 

由香里はその瞬間に自分が殺される状況を把

握した。

 

 

愛する人のために自分を犠牲にする能力」

 

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この6つ目のオーラを雄介は奪おうとしてい

る。

 

 

由香里はこんなところで死にたくなかった。

 

 

由香里は感情に訴えかけて、自分の意思で雄

介に本当に大切なことを伝えた。

 

 

「雄介、、この世界にカンペキな人なんてい

ないよ、、、

私だってできないこといっぱいあるし、あの

人のあんなとこ羨ましいなーって思うことも

あるよ、、、」

 

 

「でもね、だからと言って他人に嫉妬した

り、他人が持っている能力を奪うってことは

絶対にダメなことなんじゃないかな?

人は誰だって自分の弱さを持ってる。でもそ

の反対で自分しか持っていない魅力的な部分

も存在するんだよ。」

 

 

 

雄介はうつむきながらこう言った。

 

 

「でも、何もできない人だっているんだよ、

俺みたいに、、」

 

 

「そんなことない!雄介には雄介らしさって

もんがある!

それに人って自分の弱さを自分で受け入れる

ことができてこそ、周りの人から助けたい・

支えたいって思われるものなんだよ。」

 

 

「カンペキな人間なんていない。それに1人

で生きていける人間もいない。

カンペキな人間なんて、言ってみれば不完全

な人間だよ!」

 

 

「弱さもその人らしさなんだから、胸張って

自分らしく生きていけばいいんだよ!雄

介!」

 

 

雄介は由香里の言葉が心に刺さったのか、止

めどなく涙がこぼれてきた。

 

 

「自分らしく生きるか、、、」

 

 

そう、そうやって生きていく雄介の姿。

 

それこそが、「本当の君」なんだか

ら、、、、

 

 

 

「仲良くなりたい人」残り∞人

 

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終わり

 

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

(小説)カンペキ人、ようやく完結しました

 

 

書いている途中自分が結構怖くなってきまし

たが、ミステリアス系を書くのも面白いなと

思いました!

 

 

この小説を通して最も伝えたかったのが、

「自分らしく」といったことです!

 

 

生きている上で、他人を嫉妬したり、羨まし

く思ってしまうことは誰にでもあるかと思い

ますが、それよりも自分自身の強さ・弱さと

向き合って生きていくことが大事なことなん

じゃないかと思います( ^∀^)

 

 

一週間にわたって見て頂きありがとうござい

ました!

 

 

それではまたまたー( ´ ▽ ` )