毎日を自分らしく生きたい人のゆるーり雑談blog

ちょこっと、ゆるりと。〜中学生シオンの物語〜

2人のキャラクターと共に、毎日思ったことや本から得た知識についてゆるーり発信していきます!

“仙人の教え|毎日自分らしく楽しむことに人生の意味がある”

(小説)カンペキ人〜本当の君を探し求めて〜第四話

「毎日を自分らしく」をモットーに

 

 

・・・・・

 

額から滴る汗をぬぐいながら、由香里はしば

らく森の中を歩き回った。

 

 

今日はものすごく暑い。

 

 

初の猛暑日を観測したそうだ。

 

 

これで2人目。

 

 

雄介を懲らしめた奴らはまだこの他にも3人

もいる。

 

 

そいつら全員を殺さないわけにはいかない。

 

 

「待ってて。雄介。本当の君を取り戻してあ

げるから。」

 

 

1時間くらいすぎて由香里は動物園へと戻っ

て来た。

 

 

ふと、周りの景色を見てみる。

 

「あれ?さっきと景色が全く違う。」

 

 

由香里の視線の先には、夏では考えられない

もの「雪」が辺り一面に降り積もっていた。

 

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雄介のことばかり頭で考えていたせいか、

自分の体の感覚すら忘れてた。

 

 

「そういえば、私夏服を着ていたはずなの

に、いつの間にかコートを着ている。」

 

 

無意識の間に、由香里の服装自体も変化して

いた。

 

 

そう、由香里は真人を殺した4ヶ月後にタイ

ムワープしていたのであった。

 

 

「雄介はまだ、中学2年生ってことか。この

時代にまだ雄介を懲らしめていたやつがいる

ってことだよね、、」

 

 

由香里はこの時代でまだやらなければいけな

いことがあると確信し、目的達成のために歩

き出した。

 

 

 

・・・・・

 

「キーンコーンカーンコーン。」

 

 

授業の終了を知らせるチャイムが学校中に響

き渡る。

 

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「今日は何もすることがないし、とっとと家

に帰ってゲームでもしよう。」

 

 

そう思った雄介はバッグを肩にかけて教室か

ら出ようとした。

 

 

そこまではいつも通りの日常であった。

 

 

教室を出て、廊下を歩いていると、あの子と

ふと目が合ってしまった。

 

 

雄介は恥ずかしながらも、少しだけ微笑ん

で、廊下の角を曲がり、階段を駆け下りた。

 

 

「やっぱり可愛すぎるなー。初めて目が合っ

てしまった。こんなにドキドキしたの初めて

だな。」

 

 

あの子とは、学年のマドンナといっても過言

ではない、清楚系で癒し系な女の子、「葉留

佳」である。

 

 

雄介は初めて葉留佳と合った時に思わず一目

惚れしてしまった。

 

 

「さっき廊下ですれ違って、葉留佳ちゃんと

目が合った時、少し微笑んでいたよな。もし

かして、葉留佳ちゃん俺に対してなんか思っ

てることでもあるのかな、」

 

 

雄介はろくでもない妄想をした。

 

 

ただ、雄介にとってこの時間は至福の時間で

あった。

 

 

少し前までは雄介には恋愛のチャンスすらな

かったのだから。

 

 

運動神経抜群に加え、イケメンで女子にモテ

モテだった「真人」。

 

 

そいつがいなくなってから、雄介はいつも以

上にのびのび生活を送ることができ、女性に

対しても少し自信がついてきたように思え

た。

 

 

次の日、また雄介は葉留佳と廊下ですれ違っ

た。

 

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雄介はチャンスを逃したくないと思い、勇気

を出して話しかけることにした。

 

 

「あ、あの、、葉留佳ちゃん。」

 

 

向こうはまるで話しかけられることを知って

いたかのように、返事してきた。

 

 

「どうしたの?雄介くん。

あ、そう言えば昨日もここですれ違ったよね

ー。」

 

 

「あ、そうだねー。そう言えば葉留佳ちゃん

昨日微笑んでなかった??」

 

 

そう言うと、葉留佳は思わず吹き出しながら

こう答えた。

 

「だって、雄介くん私と目が合った時、なー

んか顔がニヤニヤしてるんだもん。その顔を

見てたらおかしくておかしくて。」

 

 

雄介は思わず赤面した。

 

「え、ごめんなさい。」

 

「なんで謝るの?雄介くんって不思議な人だ

ね。」

 

 

今まであまり女子と話したことがなかった雄

介にとっては、こんなやり取りですら楽しす

ぎて仕方がなかった。

 

 

「あ、あの。もしよかったら、メールアドレ

ス教えてくれないかな?」

 

「いいよ。雄介くん結構ストレートに聞いて

くるんだね。でも嬉しい。」

 

雄介は葉留佳の言葉にまたニヤついてしまっ

た。

 

「じゃあまた明日ねー」

 

葉留佳は手を振って階段を駆け下りていっ

た。

 

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「葉留佳ちゃん可愛すぎるよ、、、」

 

 

雄介は心の中で好きという感情が出始めてい

るのを薄っすら感じていた。

 

 

 

ある朝、雄介はいつも以上に洋服選びに時間

をかけていた。

 

 

それもそのはず、今日初めて雄介は葉留佳と

お出かけするからである。

 

 

「あーもうこれでいいかな。俺ってこんなに

服持ってなかったんだな、、

ダサいって思われたらどうしよう??」

 

 

雄介は緊張しながらもウキウキしながら玄関

のドアを開けた。

 

 

「雄介くん!お待たせー。」

 

雄介の後ろから急に葉留佳の声が聞こえた。

 

「びっくりしたー。いきなり後ろから声かけ

ないでよー。」

 

 

「ごめんごめん。雄介くんのびっくりした顔

も面白いね。」

 

 

少しからかわれたような気がした雄介は少し

ムッとした。

 

 

「今日行く、さいたま水族館楽しみだねー。

私水族館結構好きなんだー。」

 

 

雄介は内心ホッとした。

 

 

雄介は今日のためにどこに行こうかあらかじ

め調査していた。

葉留佳の友達に葉留佳の好きなことについて

聞いていた。

 

 

「わー。見て見て!雄介くん!チョウザメ

いるよー!珍しいねー!」

 

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「本当だねー。この水族館って淡水魚専門ら

しくて、あまり他でも見かけない魚たちもい

るんだよー。」

 

 

葉留佳は少しびっくりした顔をした。

 

 

「へー。雄介くん物知りだねー。」

 

 

葉留佳の携帯が鳴る。

 

「葉留佳、どう?あの雄介って子。」

 

葉留佳はすぐに携帯をポケットに戻し、

「ごめんごめん、次いこー。」

と笑顔で言ってきた。

 

 

少し表情に違和感はあったが、そこまで雄介

は気にしなかった。

 

 

日が経つにつれて、クラス内でも雄介は葉留

佳と付き合っているんじゃないかと噂される

ようになっていた。

 

雄介は内心嬉しかった。

 

なんだか優越感に浸っていた。

 

「俺にもこんなに幸せな日がくるなんて。」

 

 

その後、雄介は葉留佳と「さいたま市宇宙劇

場」にも出かけた。

 

 

雄介にとってプラネタリウムは小学生以来で

あった。

 

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「わー綺麗だねー。あ、あれってオリオン座

かな?ん?ちょっと違うかな。なんだろうあ

の星座?」

 

 

葉留佳は心の底から楽しんでくれている。

 

 

どんなことでも笑顔で楽しんでくれて、

葉留佳の隣にいるだけでなんだか安心した。

 

 

「ねー。葉留佳ちゃん。

葉留佳って可愛いね。」

 

 

葉留佳はフフッと少し笑いながら、

「なにその言葉。なーんかあんまり感情がこ

もってないみたい。」と答えた。

 

 

「いやほんとだよ。僕からしたら葉留佳ちゃ

んって星座のようにキラキラしてる存在だも

ん。」

 

「上手いこと言うねー。雄介くん。」

 

 

雄介はもう葉留佳に惚れていた。

 

 

「次デートに行った時には告白しよう。」

 

 

そう心の中で思っていた。

 

 

 

「葉留佳。もう少しで勝負の時だよ。楽しみ

にしてる。」

 

葉留佳はまた、不審げに携帯を見ていた。

 

 

 

そして、12月24日。クリスマスイブ。

雄介は葉留佳を「西武ゆうえんち」に誘っ

た。

 

 

実はこの時期になると、壮大なイルミネーシ

ョンが暗闇の中に現れる。

 

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雄介はそこで葉留佳に告白することに決め

た。

 

 

「は、葉留佳ちゃん。」

 

 

「どうしたの?雄介くん。」

 

 

雄介は白い息を吐きながら、自分を落ち着か

せるのに精一杯だった。

緊張は最骨頂に達していた。

 

 

「は、葉留佳ちゃん。ぼ、僕とよかったら付

き合ってください。」

 

 

言ってしまった。雄介は全ての感情をその一

言に注ぎ込んだ。

 

 

そう言った瞬間に突然葉留佳が大声で笑いだ

した。

 

 

「ははははははは!!!やった!私の勝ち

だ。いえーい!」

 

 

私の勝ち?言っている意味が雄介には全くわ

からなかった。

 

 

色々考えているうちに、後ろから女子が数人

出てきた。

 

 

「葉留佳ー。私たちの負けだねー。いやーや

っぱり葉留佳はすごいわー。」

 

 

葉留佳はまるで何かを成し遂げたかのような

表情でこう言った。

 

 

「当たり前よ!こんな男子一人くらい簡単に

落とせるっつーの!」

 

 

雄介は徐々に状況は把握できてきた。

 

 

「葉留佳ちゃん一体どう言うこと?」

 

 

「雄介クーン。今まで私とのデート楽しかっ

た?てか勘違いして欲しくないんだけど、私

全く君のことなんて意識してないからね。

興味すらない。これはただの恋愛ゲーム。友

達と賭けてたの。」

 

 

ふざけんな。雄介は怒りがこみ上げてきた。

 

 

「あなたにはゲームのプレーヤーになっても

らったの。いやー。違う意味で楽しかった

よ。てか私の前でのニヤニヤ気持ち悪すぎる

んだよ。まじでぶん殴ろうかと思ったよ。」

 

 

そうこれは葉留佳とその周りの女子が行なっ

ていた恋愛ゲームだった。

 

 

雄介がクリスマスイブまでに葉留佳に告白し

たら、葉留佳の勝ち。

告白してこなかったら、葉留佳の負け。

 

 

こんなくだらないゲームのために雄介は利用

されていた。

 

 

「どうしてあなたを使ったかわかる?

君が一番学校でモテなさそうだったからだ

よ。はははははー。本当ウケる。私なんかと

付き合えると本気で思ったの?バカじゃない

の?」

 

 

雄介は本気で怒りがこみ上げてきた。

 

 

「くそったれ。俺をくだらないゲームに使い

やがって。こんなやつ死んでしまえばいい。

殺してやる。今すぐ殺したい。」

 

 

 

・・・・・

 

由香里はこの状況を遠くから一部始終見てい

た。

 

 

あの葉留佳って人絶対に許せない。

 

 

雄介にとっては初恋の人だったのにも関わら

ず、相手はただのゲームを行なっていたなん

て。

 

 

「雄介。私に全部任せて。今すぐ殺してやる

から。」

 

 

 

数日後。私は葉留佳を呼び出した。

 

 

「いやー。葉留佳ちゃんって本当に可愛いよ

ね。あの中学校でマドンナ的存在って言われ

てたから、一回会って見たかったんだよね

ー。」

 

少しずつ葉留佳の方に近づいて、

「これ私からのプレゼント。」

 

 

由香里はおもちゃの包丁で葉留佳を刺す演技

をした。

 

 

「うそうそ。冗談だよ。間違えちゃった。こ

っちだ。」

 

 

そう言うと由香里は長めのコードを取り出

し、いきなり葉留佳の首をしめて、そのまま

締め殺した。

 

 

 

倒れた葉留佳の周りでは、コードについた多

くのイルミネーションが光り輝いていた。

 

 

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「排除したい人」残り2名

 

・・・・・

 

「人に対して平気で嘘をつける。そして、場

面ごとに柔軟に対応できる力」。

 

これで三つ目のオーラか。