毎日を自分らしく生きたい人のゆるーり雑談blog

ちょこっと、ゆるりと。〜中学生シオンの物語〜

2人のキャラクターと共に、毎日思ったことや本から得た知識についてゆるーり発信していきます!

“仙人の教え|毎日自分らしく楽しむことに人生の意味がある”

☆君に捧げる20日間〜正夢少年の物語(エピソード8)〜☆

こんばんは( ・∇・)

 

 

今日も引き続き「正夢少年の物語」

についてお送りしますo(`ω´ )o

 

 

 

f:id:sinseikatudaiki:20180721221727j:plain

 

 

 

 

・・・・・

 

 

15日目

 

 

七虹ちゃんは結局、最後まで大事なクラスメ

イトに会うことができず、そのまま息を引き

取ることになってしまった。

 

 

 

「七虹ちゃん、どうして、どうして!

こんなことなら、無理矢理でも七虹ちゃんを

連れて学校のみんなに合わせるべきだっ

た、、、」

 

 

 

「僕のせいだ!僕のせいだ!

僕がもっと七虹ちゃんの気持ちをわかってい

れば!」

 

 

 

「七虹ちゃん!起きてよ!起きてよ!!!」

 

 

 

必死に叫んだが、

七虹ちゃんの目が再び開くことは決してなか

った。

 

 

 

 

 

 

「ピピピピピ、ピピピピピ、ピピピピピ。」

 

 

涙を流しながら、僕は自分の部屋のベッドで

目が覚めた。

 

 

「はあー、はあー、夢かー。」

 

 

さっきの出来事が夢であったと少し安堵した

のも束の間、これから先僕が行動を変えない

と、この夢がそのまま現実でも起きてしま

う。

 

 

 

そう思った光は、すぐにパジャマから制服に

着替え、朝食も食べずに学校へと向かった。

 

 

 

玄関を開ける瞬間、母さんの

「光ーー。朝ごはんは食べないの?」

という声が聞こえたが、それに返事する心の

余裕が光にはなかった。

 

 

 

学校に行ってやらなければならないことがあ

る。

 

 

 

夢では七虹ちゃんは学校のクラスメイトに会

うことができず、そのまま亡くなってしまっ

た。

 

 

 

「もし、学校のクラスメイトに会うことがで

きたら?」

「もし、それで生きる活力・希望が見出せた

としたら?」

 

 

 

運命はきっと変わるはずだ。

 

 

いや、必ず変わる!

 

 

学校に着いた瞬間、光は七虹ちゃんのクラス

に駆けこんだ。

 

 

 

「ごめんなさい!七虹ちゃんが、七虹ちゃん

が今大変なんです!」

 

 

とっさに出た言葉がこれだった。

 

 

 

そのせいもあってか、クラス中の人から変な

顔をされた。

 

 

 

「もっと冷静にならないと。もっと冷静に伝

えるんだ!」

 

 

 

光は自分にそう言い聞かせ、続けてこう言っ

た。

 

 

 

「みんな聞いてください!実は七虹ちゃん

が、!」

 

 

 

光は今現実に起こっていることを全てクラス

メイトに話した。

 

 

「動悸が激しい。でもこれだけはみんなに伝

えておかなくては運命が変わらないんだ。」

 

 

すると、クラス中でざわついたが、

 

「そんな大事なこと、なんで七虹は私たちに

伝えてくれなかったの?

私たちはどうでもいいってこと?」

 

と一人の女子が呟いた。

 

 

「そんなこと七虹ちゃんが思ってるはずがな

いよ!

本当は七虹ちゃん、クラスメイトのみんなに

会いたいはずなんだ!

でも、七虹ちゃんの心の中で葛藤が生まれて

いるんだと思う!」

 

 

 

光は誤解を解こうと必死にみんなに訴えかけ

た。

 

 

「本当はみんなに会いたい。でも、もうみん

なに会えなくなると思うと会いたくない気持

ちも出てきたんじゃないかな?

一回でもみんなに会ってしまうと、それこそ

その後絶望感に襲われてしまうと思ってるん

じゃないかな?」

 

 

 

「それに七虹ちゃんは優しいから、自分のこ

んな姿をみんなに見て欲しくない。

みんなに悲しい気持ちになって欲しくない。

そんな気持ちだってあるんだと思う。」

 

 

 

 

そう言うと、クラスのみんなは一斉に言葉を

失った。

 

 

 

「でも、そんなこと考える必要なんてないと

思う!

大事なのは今僕たちが七虹ちゃんのために何

ができるってことだと思う!

七虹ちゃんはみんなに会いたいんだ。会いた

くてたまらないと思うんだ!

だから、みんな僕に協力してほしい!」

 

 

 

光は夢中でみんなに訴えかけた。

 

 

 

自分一人の思いだけで、みんなが動いてくれ

るのか心配だったが、クラスメイトのみんな

に思いが届いたのか、承諾してくれた。

 

 

 

「みんなで七虹ちゃんに会いに行こう!」

 

 

光は、学校の先生に事情を話し、

クラスメイトみんなで七虹ちゃんが入院して

いる病院へと向かった。

 

 

 

 

ガラガラ。

 

僕がまず扉を開けた。

 

 

「光くん?どうしたの?

今日学校は行かないの?」

 

 

想定通りの質問であった。

 

 

「七虹ちゃん、学校よりも今は大切なことが

あるんだ。

その大切なことをするために、みんなを連れ

てきた。」

 

 

 

光の後ろから続々とクラスメイトが

部屋の中に入ってきた。

 

 

その瞬間、七虹ちゃんは「えっ!」といった

びっくりしたような表情とともに、大粒の涙

が瞳から溢れ出した。

 

 

「どうして?どうして?みんないるの?

どういうこと?」

 

 

 

「七虹ちゃん。本当は一番七虹ちゃんがわか

っているはずだよ。

本当はみんなに会いたくて仕方がなかったん

だよね!

でも、自分の病気のことをみんなに伝えるの

が心の中では嫌だったんだよね。」

 

 

 

「うっぅ。うっぅ。」

 

それまで抑えていた感情が溢れ出す。

 

 

 

「七虹ー!私たちも七虹に会いたかったよ

ー。

七虹がこんなことになっているのに気づかな

くてほんとごめんね。

本当の気持ちに気づいてあげられなくてごめ

んね。」

 

 

 

クラスメイトの一人が七虹ちゃんを優しく抱

きしめた。

 

 

 

「みんな。みんな。ありがとう。」

 

 

 

そこには、久しぶりのクラスメイトに会うこ

とができた七虹ちゃんの優しい笑顔があった。

 

 

 

 

 

 その時、ふとあることが頭をよぎった。

 

 

 

正夢通りになっていない。

 

 

 

正夢の通りなら、この時間には七虹ちゃんは

すでに息を引き取っていた。

 

 

 

にも関わらず、現実ではこうやってクラスメ

イトの人と嬉しそうに語り合う七虹ちゃんが

目の前にいる。

 

 

 

正夢を変えることができたんだ。

 

 

 

光は自分の行動が七虹ちゃんの運命を変えた

この時初めて実感した。

 

 

 

 

続く。