毎日を自分らしく生きたい人のゆるーり雑談blog

ちょこっと、ゆるりと。〜中学生シオンの物語〜

2人のキャラクターと共に、毎日思ったことや本から得た知識についてゆるーり発信していきます!

“仙人の教え|毎日自分らしく楽しむことに人生の意味がある”

☆超監視社会からの脱出〜エピソード5〜☆

 

こんにちは( ^∀^)

 

 

 

今日はエピソード5(事件勃

発)についてお送りします!!

 

 

 

f:id:sinseikatudaiki:20180626171622j:plain

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

輝は親友の月人と話した後、

自分の両親を訪ねることにした。

 

 

 

昔から超厳格で、自由がなかった家庭。

しかし、あの事件が起こってから、自分のこ

とを本気で考えていてくれたことを知ったの

だ。厳しいながらも私に幸せになって欲しい

と心から願っていたんだ。

 

 

 

 

今両親は実家に戻って元気に仲良く暮らして

いる。

あの事件を機に私は両親と少しずつ、穴の空

いたピースを埋めようとしている。

本音で語り合うことのできなかった過去。今

ならお互いの本音を伝えることができるであ

ろう。

 

 

 

 

「ガチャ。」

 

家の扉を開けた瞬間、玄関の鏡を綺麗にタオ

ルで拭いている母の姿が目に映った。

 

 

 

「おかえり。」

 

 

 

その言葉があの事件以降は当たり前のもので

はなくなった。

 

 

なんだろう。ただの四文字であるが、そこに

込められている意味合いは何重にも重なって

いる。

 

 

 

「ご飯は食べた??お腹減ってない?」

 

 

めちゃめちゃお腹が減っている。

 

 

「少しだけ食べていいかな?」

 

 

そういうと母はニッコリと微笑んだ。

 

 

 

リビングに入ると父が机に座って、ビールを

片手に何か読んでいた。

 

 

 

「輝か。おかえり。」

 

 

 

「ただいま。」

 

 

それだけ言って父とは反対側の席に着いた。

 

 

 

「なあ。輝。お前は今からどうするんだ?

何かするって決めてるのか?」

 

突然に父の口が開く。

 

 

 

「俺は人々により幸せになってもらうため

に、世界中を旅して、笑顔を提供できる人に

なりたいんだ。」

 

 

 

「そのために来年から海外を飛びまわろうと

思ってる。」

 

 

 

「そうか、、、 頑張れよ!」

 

 

 

父はそれだけ言って、持っていたビールを机

におき、そのまま書斎へと消えて言った。

 

 

 

 

母と父はそっと見守ってくれる存在へと変わ

っていった。

 

 

いや、母、父が変わったのではなく、俺の捉

え方が変わったのかもしれない。

 

 

 

あの事件、自分の思い。

 

それらが両親の心を変えていったのだろう

か??

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

私は専門学校を無事卒業した。

 

 

 

なんの専門学校かというと、

 

料理の専門学校だ。

 

 

 

私は何か食を通して世界中の人を笑顔にした

いっていう夢があった。

 

 

 

そのために大学ではなく、料理の専門学校に

進学したのだ。

 

 

 

老舗料理店に就職し、毎日いろんな試練を乗

り越え、1日1日充実した生活を送っていた。

 

 

 

 

私が社会人になって約5年後のことであっ

た。

 

 

急に親友である月人から奇妙なラインがきた

のだ。

 

 

「なあ、輝。この世界に自由は本当にあるの

か?就職しても、毎日同じところに同じ時間

帯だけ拘束されてる。しかも自由を否定する

人だっている。どう思う?」

 

 

 

「確かに考えた方は人それぞれなんだから、

自由はいらない。

ただ勤勉に働くのが美徳。って考え方の人も

いるんじゃないか?」

 

 

 

そう言うと月人は、

「そんな人がいる限り、この世界に自由は訪

れない。もっと自由な世界を俺は作りたいん

だ。そのためならなんだってやる。」

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間私はちょっと怖かっ

た。

何かのために自分を犠牲にする人が言う言葉

だからだ。

 

 

 

ただ、どれだけ行動力がある月人であって

も、世界を変えるなんてできないだろうって

思ってた。

 

 

 

それから1ヶ月後。

 

 

世間を驚愕させた事件が起こる。

 

 

「ニュースです!日本中で不特定多数の人が

行方不明になってます!

犯人は不明。一体何が起こってるのでしょう

か!」

 

 

 

なんだこれは。

 

 

不特定多数の人が行方不明?

 

 

誰がこんなこと?

 

 

 

しかも1000人くらいも行方不明って。

 

 

 

これは明らかに大事件だ。

 

 

 

 

それから捜査が進み、どうやら自由団体「フ

リーダム」が起こした事件だったということ

が明らかになる。

 

 

 

フリーダムは日本中で自由を否定している人

をなんの躊躇もなく、この国から排除し、異

国の無人島へ追放した。

 

 

なんて団体だ。

 

 

 

しかもそのフリーダムを仕切っていた人の名

前を聞き、私はかなり驚いた。

 

 

 

フリーダムのトップ、それは

「月人」だったのだ。

 

 

私はどういう顔をすればいいのかわからなか

った。

 

 

 

まさか親友がこんな大事件を起こしてしまう

とは。

 

 

ラインで送られてきた内容に正直恐れていた

が、ここまでのことに発展するとは思っても

みなかった。

 

 

 

 

こんな事件起こしてどうする気なんだ?

月人。

 

 

 

 

自由を求め続けた若者の団体が起こした今回

の事件。

 

 

この事件が起こってから大きく社会は変化し

た。

 

 

 

 

一言で言って「超監視社会」。

 

 

全国民の体内にチップを埋め込み、そのチッ

プで位置情報、感情などを瞬時に判断する。

 

 

つまりすべての人の考え方、日常生活が

国で管理されることになったのだ。

 

 

 

24時間ずっと監視されている状態だ。

 

 

 

確かにこのシステムなら、何か企みを考えて

いるやつをすぐに発見することができるし、

その人の位置情報も一発で把握できる。

 

 

 

 

二度とあんな事件を起こさまいとする日本ト

ップの意向がこのシステムから容易く想像で

きる。

 

 

 

こんな社会になっていいはずがないと思いな

がら公園に佇んでいたちょうどその時、目に

前にあの男が現れたのだ。

 

 

 

「やあ、輝。大変なことになったな。

今の社会は超監視社会だ。君はこれまでいろ

んな試練をこえ、自由を求めてきたというの

にこの有様だ。もう君は自由になれないのか

もしれないな。」

 

 

 

 

その通りだ。親友の月人が起こした事件のせ

いで俺の心はズタボロだ。

 

 

 

「君が望む自由ってなんなんだ?今の社会

か?おそらく違うだろう。誰もが自然と笑顔

になれる空間を作ることが君の夢だろう?そ

れを食を使って実現させようとしている。」

 

 

 

「ただそうは言っても、君の親友の月人君の

ような考え方は持っていないはずだ。自由を

否定する人を排除するなんてこと、君にはで

きないだろうな。」

 

 

 

「君は今の社会をどうしたい?このままでは

一生後悔するはずだ。」

 

 

 

俺はもとの社会に戻したいそれだけだ。

自由なんて人によって捉え方が異なる。

ただ監視されて幸せになる人なんて絶対にい

ない。

自由の中にこそ本当の笑顔って生まれるん

だ。

 

 

 

「だったら、君のすることはただ一つだな。

この社会を変えるんだ。

それとだ、お前ももう気づいているかもしれ

ないが、俺は未来からきたお前だ。

 

 

未来の俺は、超監視社会になってから何も変

えることができなかった。しかもいつも言い

訳を作って本気で生きてこなかった。だから

今のお前には大事なことに気づいて欲しかっ

たんだ。」

 

 

 

 

薄々は気づいてたのかもしれない。

この人が俺だってことを。

 

 

 

「未来の俺。今までありがとう!」

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

一年後の七夕の日。

 

 

「本当に過去に戻れるんですね?」

 

 

 

「ああ、私もこうして過去に戻ってきてい

る。次は君が過去に戻る番なんだよ。

君が成し遂げたいことをやってきておく

れ。」

 

 

 

「恩に切ります。」

 

 

 

 

まばゆい光とともに、私は約25年前の過去

に戻ったのであった。

 

 

 

学校から帰る昔の輝を発見した時から、

 

私の戦いが始まったのであった。