毎日を自分らしく生きたい人のゆるーり雑談blog

ちょこっと、ゆるりと。〜中学生シオンの物語〜

2人のキャラクターと共に、毎日思ったことや本から得た知識についてゆるーり発信していきます!

“仙人の教え|毎日自分らしく楽しむことに人生の意味がある”

(小説)カンペキ人〜本当の君を探し求めて〜第一話

 

「毎日を自分らしく」をモットーに!

 

 

 

こんばんは( ´ ▽ ` )

 

 

 

今日から新しい物語を書いていこうと思いま

す( ・∇・)

 

 

 

前回の「正夢少年」のような恋愛物語とは全

く違うジャンルになってますので、ぜひよか

ったら読んで見てください笑

 

 

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・・・・・・

 

 

ふと目に入った。

 

 

その男性は帽子を深めにかぶり、私からみる

となぜか他の人とは違ったオーラを発してい

るように感じ取れた。

 

 

それ以外に理由はないが、なぜか気になる。

 

 

好きといった感情なのかよく分からないが、

生まれて初めてこのような感情に襲われた。

 

 

まるで子供が初めてのものを見たかのよう

に。

 

 

そう、私は今日ちょうど仕事が休みだったか

ら、家の近くにある美術館に足を運んでい

た。

 

 

ちょうど美術館の中央あたりでその男性を見

かけた。

 

 

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背はそんなに高くないが、少しぽっちゃりし

ていると言ってもおかしくないそんな体型

だ。

 

 

無意識のまま、じーっと見ているとバッチリ

目があってしまった。

 

 

「やってしまった。」

 

 

勇気を出して話しかけてみよう。

 

 

「あの、、すみませんじっと見てしまって。

美術館とかよく来られるんですか?」

 

 

その男性は怪訝そうな顔をしていたが、

その場の状況を察知したのか、薄暗い口調で

こう言った。

 

 

「あ、はい。」

 

 

「そうなんですね。私も結構くるんですけ

ど、ここの美術館って結構刺激的なものも多

いですよね。」

 

 

刺激的なものといえば、少しグロテスクなも

のもあるということだ。

 

 

小さい子向けではないのはおそらく見た瞬間

にわかるであろう。

 

 

「あ、あの。私、由香里って言います。

急に話しかけてごめんなさい。」

 

 

「いえ。全然大丈夫です、」

 

全く元気のないような口調で男性は答えた。

 

 

「お名前伺ってもいいですか?」

 

少し男性はためらったが、一息ついてこう言

った。

 

「あ、ゆ、スケです』

 

「えっ??」

 

「あ、雄介です。」

 

「あー。雄介さんですね。ごめんなさい聞き

取れなくて。あ、もうこんな時間だ。これか

ら友達と食事があって。また、会えるといい

ですね。」

 

 

由香里がそう言うと、雄介は少し微笑んで、

「そうですね。また会えることを楽しみにし

てます。」

とだけ告げた。

 

 

二人はこの後、何回か美術館で遭遇して

その度に由香里から話しかけていたが、ある

ときを境目に由香里は雄介のミステリアスな

性格に徐々に惹かれて行くのであった。

 

 

そして1ヶ月後、

由香里と雄介はあるレストランに来ていた。

 

 

「雄介は何が食べたい?私はねー。チーズハ

バーグセットかなー。

いやーミックスグリルも外せないよねー。ね

ー。どっちがいいと思う?」

 

 

よく喋る由香里に対して雄介はあまり表情を

変えずにいた。

 

 

「僕は何でもいいよ。それに由香里の食べた

いものなんて分からないし、それは自分で決

めて。」

 

 

雄介は冷たく由香里の質問を交わした。

 

 

「ねーねー。どうして雄介はそうして何事に

も無関心で楽しそうにしないの?いつも殻に

こもっているみたい。

そういえば仕事のこと聞いてなかったんだけ

ど、いまなんの仕事してるの?」

 

 

雄介は少し睨んだような表情で、こう答え

た。

 

「してないよ。」

 

由香里は予想だもしない答えにびっくりし

た。

 

 

「え?そうなの?どうして?」

 

 

「別にそんなに理由なんてないよ。」

 

 

「そうなんだ、、、。」

 

 

「そんなことより早く注文して。」

 

 

嫌な空気が二人の間を行き来している。

今でも喧嘩するのではないかと言わんばかり

に。

 

 

 

食事を終えて二人はそれぞれに家に帰ること

にしたが、由香里はずっと抱えていた不満を

雄介にぶちまけてしまった。

 

 

「さっきも言ったけど、何でいつも楽しそう

にしないの?食事している時くらい楽しく会

話してもいいよね?いつも君の顔は暗いま

ま。」

 

 

暗闇の道の中、雄介の顔がどうなっていたの

かは正確には見えなかったが、おそらくかな

り険しい顔をしていたであろう。

 

 

「君に関係ないよね!別に僕がどんな表情し

ていようと、どんな感情であろうと!それに

僕と君はただの友達みたいな関係だよね?

最小限のやりとりさえしていればいいじゃ

ん。別に余計なことまで話さなくていいよ

ね?君は喋ることが大好きなのかもしれない

けど、僕はそもそも人がそんなに好きじゃな

いんだよ。」

 

 

 

「雄介は一体何を考えてるの?

私には全く分からない。君が心を開いてくれ

ないと、君のことなんてなんにもわかんな

い。覚えている?初めて美術館であった時の

こと。その時と全く変わってない。少しくら

い話してくれたっていいじゃない!」

 

 

 

雄介の怒りが最骨頂に達したのか、

雄介はついに由香里を突き飛ばしてしまっ

た。

 

 

「うるさいんだよ。さっきからごちゃごちゃ

と。二度と俺の目の前に現れないでくれ。こ

の浮かれものが!」

 

 

由香里は塀で少し頭を打ってしまったが、

意識に別状なかった。

 

 

それ以来、由香里の頭からは雄介のことが離

れられなくなった。

 

 

もう忘れてしまったらいいことなのに、どう

しても忘れられない。

 

 

「好きになってしまったのだろうか?」

 

 

「あんなにひどいことをされたのにも関わら

ず、私は雄介のことを好きになってしまった

のだろうか?」

 

 

「本当の雄介がわからない。少しも自分のこ

とを打ち明けてくれない。その理由が知りた

い。もしかしたら過去に何かあったのだろう

か。」

 

 

そう思った由香里は、ある行動に出た。

 

 

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「ピーンポーン。」

 

 

「はい。あら?どなた様かしら?」

 

 

「こんにちは。初めまして。

雄介さんの彼女の由香里と申します。いきな

り家に訪問させてもらって申し訳ありませ

ん。」

 

 

もちろん嘘だ。雄介と由香里はただの友達み

たいな関係性であった。

ただ、由香里は雄介の過去を知るためには、

雄介の過去のことがたくさん知れる場所=雄

介の部屋であると思いついた。

 

 

「実は、雄介から今日頼まれごとがあって。

部屋にあるものを今から持ってきて欲しいっ

て言われたんです。」

 

 

「そうでしたのー。お構いなく上がって上が

ってー。」

 

 

そう言うと、雄介の母親は特別怪しむ様子も

なく、部屋へと誘導してくれた。

 

 

ここが、雄介の部屋。

何か雄介の過去につながるものがあるはず

だ。

 

 

その時、由香里にある一冊の手帳が目に入っ

た。

 

 

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恐る恐るページをめくってみると、そこには

驚愕の内容が書かれていた。

 

 

 

「この世から排除したい人???

何これ?冗談だよね?」

 

とある1ページに排除したい人が5人程薄く

書かれていた。

 

 

「どうしてこんなこと?この5人に恨みを持

っているってこと?」

 

 

考えても考えてもわからないことだが、ほか

にも何か手がかりがあるかもしれないと思

い、部屋中を探し出した瞬間、扉の前に雄介

が立っているのが目に入った。

 

 

「ゆうす、け?」

 

雄介は怒りを越したのか、無表情で由香里の

眼差しをまっすぐ見ていた。

 

 

「お前ここで何してんだ。俺の家に勝手に入

っただけでなく、俺の部屋まで勝手に侵入し

やがって。何がしたいんだ。」

 

 

由香里はこの状況にかなり焦りを感じてい

た。

 

 

「いや、違うの。雄介。私はただ、雄介のこ

とが心配で心配で!」

 

 

そういった瞬間に雄介の堪忍袋の尾が切れ

た。

 

 

「ふざけんなよ!!!ふざけんな!

これ以上俺のことに干渉してくんな!

お前も殺されたいのか!あー!」

 

 

正気を無くしたかのように雄介は叫びまく

る。その時雄介は、由香里があの手帳を手に

持っていることに気がつく。

 

 

「おい!それ見たのか。お前まじでふざけん

なよ。お前まで俺を見下してんのか。あー!

どうせ俺は誰にも勝てない存在なんだよ!こ

のクソヤローが!!」

 

 

そういったと同時に由香里を窓から放り投げ

た。

この部屋はアパートの9階部分。

由香里はその瞬間死んだと思った。

 

 

・・・・・・

 

 

 

「続く」